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Project Story

Outline 概要

「大好きな大分県の発展に貢献したい」という想いが、『地域ビジョンプロジェクト』を開始したきっかけであり原動力。融資や預金といった従来の銀行業務の枠を超えて、もっと幅広く、長期的な視野で地域の課題を捉え、さまざまな領域の団体や人を巻き込みながら、より良い未来を育んでいく。この新たなチャレンジは、まだ、はじまったばかり。今回は、プロジェクトの序章を紹介します。

STORY01 支店の行員が主体となって地域の課題解決を目指す

古代に国府が置かれていた大分郡(おおきたのこおり)が、大分(おおいた)という地名に由来する等長い歴史を誇り、多様で豊かな文化や産業を生みだし、発展してきた大分県。そうしたなかで大分銀行は、「地域社会の繁栄に貢献するため銀行業務を通じて最善をつくす」という基本理念のもと、お客さまの目線に立った金融サービスを提供しています。しかし、近年、大分県は人口減少や少子高齢化、事業の後継者不足等の課題に直面し、当行の行員たちも「地域の役に立ちたい」という志をカタチにする機会が減ってきているジレンマを抱えていました。

日を追うごとに「地域の経済基盤を守らなければならない」、「地方銀行として地域の課題から目を逸らすことはできない」という想いが大きくなっていき、自分たちに何ができるのか、検討を重ねに重ねました。その結果、2023年3月にスタートしたのが、『地域ビジョンプロジェクト(以下:地域ビジョン)』です。
これまでも当行は本業である銀行業務(預金、為替、融資等)を通じ、地域の個別の事業者への支援や、大分県や各市町村との連携協定を締結して地域行事へのボランティア参加や協賛等、地域とのつながりを大切にしてきました。

地域ビジョンが従来の取り組みと大きく異なる点は、特定の事業者ではなく、各市町村(行政区単位)を対象に、各支店の行員が主体となって地域の課題を探り、行政・経済団体や事業者と連携して課題解決を目指すことです。さまざまな団体や人をつなぐカタリスト(触媒)として、金融の力だけでなく、当行のネットワークやソリューション等、あらゆる力を総動員して目標を達成する。当行にとって新しい試みですが、地域の新たな可能性を生みだすものとして、銀行内外から注目されています。

STORY02 稼ぐ力の強化を図り地域内で経済効果を生みだす

ここまで読んで、「プロジェクトの目的はわかったけれど、具体的な取り組みがイメージできない」と思った方もおられるのではないでしょうか?大分銀行は有言実行。机上の空論では終わらせません!
地域ビジョンの基本的なコンセプトは、「プロジェクトⅠ:地域内資金循環の活性化」と、「プロジェクトⅡ:地域の外から稼ぐ力の増強」の2本柱で構成されています。プロジェクトⅠは、地域のなかで稼いだお金を地域内で消費することで経済効果を生みだすという理論。そして、プロジェクトⅡの地域の外から稼ぐ力を強くするアプローチによって、経済効果をさらに高めるという二段構えです。

プロジェクトⅠでは、データ収集・分析を行い、それをもとに各プロジェクトの立案・実行へと進めていきます。
といっても、すべての産業を対象にするのはむずかしいので、地域の主要な産業に絞ります。そして、特定した産業の事業者をリスト化し、支店の行員が直接訪問して、「なにを・いくらで・どこから・なぜ仕入れているか」といったアンケートを行います。あわせて課題についてもヒアリングします。アンケートの件数は地域によって異なりますが、多い場合には数百件になることも。
すべての回答をデータ化して、営業戦略部のマーケティング室が分析。そのレポートをもとに、地域ビジョンのメンバーである行政・経済団体、事業者の方々と話し合い、プロジェクトの内容を決めていきます。重要なポイントは、当行が実施したい取り組みを一方的に提案するのではなく、ステークホルダーと一緒に決めること。なぜなら、そういったプロセスを経ることで漠然とした状況から焦点が定まり、共通認識をもてるようになるからです。

プロジェクトⅡでは、地域がもつ魅力(観光地、特産物、産業、インフラ等)を活用して、地域の外から入る資金を増やす仕組みをつくります。
最初に各支店の行員全員にアンケートを取って、地域で稼ぐ力を強くするためのアイデアを出し合い、次に地域ビジョンのメンバーで実現性や重要度、効果の高いものに絞り込み、企画ごとにグループを組んでブラッシュアップを行います。そして、当行の行員がハブとなり、さまざまな団体や人たちと連携して実施します。

STORY03 日田市とタッグを組んで観光力アップを目指す

地域ビジョンがどんな取り組みなのか、大体の内容はイメージできたでしょうか?つづいて、みなさんが興味ある具体的な実例を紹介します。

ひとつ目は、日田市と一緒に取り組んだ『日田市×大分銀行 地域ビジョンプロジェクト〜日田の恵み、未来世代へつなぐ』です。日田市は福岡県との県境に位置しており、県外やインバウンドの観光強化に取り組んでいました。また、漫画『進撃の巨人』の作者、諫山創さんが日田市出身ということで、同作の聖地として観光誘致につなげる施策も検討されていました。
そうしたなか、日田市観光協会の若手組織である日田市観光戦略会議で、地域ビジョンを活用して集客や収益アップを図ろうという声が上がり、当行と行政、観光協会が協力して取り組むことに。そして2025年2月6日に、日田市長と当行の頭取が出席するセレモニーを開催し、プロジェクトの実施が発表されました。
現在(2025年3月)は、メンバーで具体的な活動内容を検討し、実施に向けて準備を行なっているところです。こうした取り組みは単発的なものではなく、将来的には観光業に加えて、地域の主要産業である農業や林業の課題解決にも活動を広げていきたいと考えています。

STORY04 筋湯温泉街の新たな魅力をつくり、広げる

もうひとつの実例は、『筋湯温泉街の活性化プロジェクト』です。筋湯温泉街は九重町にある温泉郷で、開湯1,000年の歴史を誇り、たくさんの宿が点在しています。筋湯温泉の“うたせ湯”は知名度が高く、周辺の観光資源にも恵まれているものの、宿泊・観光施設の老朽化や、プロモーション等の課題を抱えていました。
こうした課題解決に向けて当行が中心となり、観光庁の「観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」補助金を活用して、施設(28事業者)の付加価値創出を図るとともに、温泉街全体を回遊する仕組みづくりに取り組みました。
その結果、複数の旅館・ホテルの改装等を行い、温泉街全体の魅力向上につながりました。さらに温泉街以外でも、九重町のスキー場や食事処の整備も行われ、地域全体の付加価値も向上しています。今後は九重町にある他の温泉街や複合施設の整備、DX化等を進めていく予定です。

先に述べた通り、地域ビジョンははじまったばかりですが、すでに行員から100件を超える地域活性化のアイデアが寄せられ、23の部会が結成されています。まだまだ試行錯誤の連続で、改善すべき点もあります。しかし、こうした活動を進めることで、「大分銀行が地域活性化に本気で取り組んでくれてうれしい」という声をいただくようになりました。そして、行員からも「希望していた地域貢献に直接携わることができてワクワクする」という声が上がる等、確かな手応えを感じています。

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